「『年を取れば誰でも目は衰える』という考えは間違いです」と話すのは、回生眼科院長の山口康三先生。先生いわく、「目の病気も、れっきとした生活習慣病。食事の偏りや運動不足の影響は、体の一部である目にも及ぶ」のだそうで――。そこで今回は、山口先生の著書『緑内障・白内障は血流の改善でよくなる 黄斑変性・糖尿病網膜症・ドライアイにも効果』より一部を抜粋し、お届けします。
目は全身の健康状態を映し出す鏡
目は全身の健康状態を映し出す鏡でもあります。その理由を説明しましょう。
目は体内で唯一、血液が血管内を流れている様子を、外からじかに顕微鏡で観察できる器官です。
眼球の奥の眼底にある網膜や視神経、血管の状態を調べる検査を「眼底検査」といいます。眼底検査で目の血管を見れば、動脈硬化がどのくらい進んでいるかがわかり、高血圧や糖尿病など全身の病気、生活習慣、ストレスの状態までも推測できます。
というのも、目の血管は、全身の血管の状態を反映しているからです。動脈硬化は、長年にわたる生活習慣の影響を受けて起こるので、目の動脈に動脈硬化があれば、全身の血管で動脈硬化が起こっており、生活習慣に問題があると考えられます。