目の血管が動脈硬化を起こしている場合……

動脈硬化によって血管が硬く細くなると、血液の流れが悪くなり血液の粘度が高まって、いわゆる「血液ドロドロ」の状態になります。こうなると、さらに血流が悪くなります。心臓はなんとか血液を流そうと血管に圧をかけるため、血圧が上昇します。

眼底検査で高血圧が疑われる場合、実際の血圧測定でも、おおむね高い数値を示します。ある患者さんの眼底を観察したところ、動脈が細くなっており、動脈硬化が認められました。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

血圧を測定したところ、最大血圧が220mmHg(基準値は最大血圧が140mmHg未満)、最小血圧が130mmHgあり、高血圧であることが判明しました。この方は、それまでは高血圧の治療を受けたことがなく、眼底検査で高血圧とわかりました。このような例は珍しくありません。

目の血管が動脈硬化を起こしている場合、頸動脈や心臓の冠動脈なども動脈硬化が進んでいる可能性が考えられます。このように目の血管は、全身の健康状態を雄弁に知らせてくれるのです。

※本稿は、『緑内障・白内障は血流の改善でよくなる 黄斑変性・糖尿病網膜症・ドライアイにも効果』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

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緑内障・白内障は血流の改善でよくなる 黄斑変性・糖尿病網膜症・ドライアイにも効果』(著:山口康三/徳間書店)

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