この記事の目次
キッコーマン座談会 参加の方々
1:母の愛情が詰まった食卓の記憶
2:戦争が刻んだ食への執着 3:食事は人間関係のバロメーター 4:キッコーマンと「おいしい記憶」の出会い 5:食育への思い 6:現代の食卓事情「一緒に食べてるのに孤食ですよ」 7:記憶に残る味と体験 8:地域による味の違い 9:対談を通じてわかる「おいしい記憶」のこと ネットで話題の「夫(元木さん)の体重減少」について

1:母の愛情が詰まった食卓の記憶

ー対談は、大神いずみさんの幼少期の記憶から始まりました。5人家族だった大神家では、母親が家族一人ひとりに合わせた異なるメニューを作っていたといいます。

大神:母は、父には酒のあてみたいなものを作って、おばあちゃんには減塩のほぼ味がないような身体に気を配ったメニューを、私と兄にはガッツリ育ち盛りのハンバーグとか、唐揚げとか作って、自分はそれぞれの余り物を食べていました。

ー大神さんにとって特別な記憶は、魚の煮付けの香りだという。

大神:今でも人の家の前を通って、その匂いが漂ってると、「ああ、なんかお家に帰れる」と思っちゃうんですよね。

ー子育てを経験して、大神さんは料理の技術よりも、子どもたちが「ガツガツって食べてくれる」姿に喜びを感じていたそうです。

大神:子どもっておいしいとかおいしくないとかじゃなくて、お腹空いてたらガツガツって食べてくれる。その「米しぶき」※と言うのでしょうか。ガーっ!と食べるあの感じで、私はおいしいとか言われる前に、褒められた感じがするのです。

※米しぶき・米粒が飛ぶ様子→動画内イラスト参照 

インタビューに答える大神さん
消費者代表として、食事作りに日々携わる妻・母として参加してくれた大神いずみさん(撮影:本社 武田裕介 以下すべて)