この記事の目次
キッコーマン座談会 参加の方々 1:母の愛情が詰まった食卓の記憶
2:戦争が刻んだ食への執着
3:食事は人間関係のバロメーター 4:キッコーマンと「おいしい記憶」の出会い 5:食育への思い 6:現代の食卓事情「一緒に食べてるのに孤食ですよ」 7:記憶に残る味と体験 8:地域による味の違い 9:対談を通じてわかる「おいしい記憶」のこと ネットで話題の「夫(元木さん)の体重減少」について

2:戦争が刻んだ食への執着

ー小田桐さんの話は、より深刻で重い体験から始まりました。満州で終戦を迎え、日本に戻れなかった3年間はほとんど食べられない子ども時代を過ごしたそうですね。

小田桐:牛や馬の飼料を粉にしたものを、お茶碗に入れて舐めるんですが、口に入れば何でもおいしいんですよ。

ーこの極限状態の体験が小田桐さんの人生観を形作ったのでしょうか。

小田桐:やっぱり食べるっていうことは、なんて言うんでしょうか...生きるためっていうのもありますけれども、むしろ今も、おいしく食べるために仕事をしたり、おいしく食べるためにいろんなことをしている気がします。食べるっていうことに、凄い執着がありますね。

インタビューに答える小田桐昭さん
60年以上広告の仕事の第一線で活躍してきた小田桐昭さん