植物は、夜に眠るのか?
子どもたちが抱く疑問に、「植物たちは、夜に眠るのか」というのがあります。この質問には、容易には答えられません。「眠る」という語句が何を意味するかによって、答えが異なるからです。
私たち人間の場合には、「眠る」とは、目を閉じて、心身の活発な活動が休止することです。一方、植物たちには、目がないので目を閉じることはなく、この意味では眠ることはありません。
ところが、「眠る」ということを、活動を休止してからだを休め、そのあとにまた活動することと考えると、植物たちにも「眠る」という言葉が当てはまるものが見られます。「植物も眠るように思えます」という答えにもっともふさわしい現象を示してくれるのが、カタバミの葉っぱなのです。
カタバミの葉っぱは、昼間の明るいときには開いていて、暗い夜になると、折りたたまれるように閉じてしまいます。まるで、眠っているように見えます。翌朝に明るくなると、葉っぱは再び開きます。
葉っぱが示す、朝に開き、夜に閉じるという現象は、眠りに就くという意味を込めて、「就眠運動」とよばれています。カタバミの葉っぱは「朝に開き、夜に閉じる」という就眠運動を、毎日繰り返すのです。