花の色は美しいコバルトブルー

花の色は美しいコバルトブルーで、この色の正体は「コンメリニン」という色素です。この名は、ツユクサの学名「コンメリナ・コンムニス(Commelina communis)」のうち、ツユクサ属を示す「コンメリナ」にちなみます。17世紀のオランダの植物学者コメリンの名前に由来します。「コンムニス」は、「ふつうの」の意味です。

このようなきれいな青色がなぜ出るのかは、古くから研究されており、マグネシウムが大切な働きをしていることがわかっています。

この色を花びらから水に溶け出させると、“青色のインク”になります。白い紙や布などに、青色のインクで絵や文字が書けます。ところが、水洗いすれば、簡単に色が流れて消え去ります。そのため、“青色のインク”ではなく、“消える青色のインク”といわれます。

ツユクサの仲間に、ツユクサより大きな花を咲かせるオオボウシバナ(大帽子花)があります。この花の色素は、友禅染めなどの下絵を描くのに使われてきました。この植物は、滋賀県草津市の「市の花」に定められています。

オオボウシバナ(写真・photolibrary)

近年の遺伝子組み換えによる花の色の変化に、ツユクサの色素の遺伝子が使われます。青い花を咲かせるコチョウランでは、この青色が発現しています。