(撮影:浅井佳代子)
現在発売中の『婦人公論』2025年8月号の表紙は、俳優の倍賞美津子さん。実は若い頃はずっと女優を続けていく気はなかったという倍賞さん。それでも結局今まで続けてきた理由は――。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影:浅井佳代子 構成:篠藤ゆり)

ゆったりと自由気ままに

昨年、引っ越しをした時に荷物を整理したら、昔の本がたくさん出てきました。

懐かしくてページをめくってみると、面白くて仕方ないの。それを静かな夜に読むのが最近の楽しみです。

本は昔から好きで、今も地下鉄で神保町に行き、古本屋さんを巡ることも。つい買いすぎて、帰りはタクシーに頼ってしまうんですけどね。(笑)

普段はなるべくゆったりと自由気ままに過ごしています。好奇心に任せて、あちこち散歩するのも好き。無駄な時間があるなんて、素敵なことでしょう。

先々の心配もほとんどしません。人はいつ何があるかわからない。私はステージIVのがんを2回もやっていますから、先を思い煩わず、欲張った考えはしないんです。