首だけでもマイクの前に置きたい
入院して“絶対安静”という言葉をよく聞きますよね。僕のイメージでは体中に点滴とかあらゆる器具がついていて動こうにも動けない。そんなことを考えていたんですけど、僕の場合は管とかはほぼないんです。
動こうと思えば動ける。ただ、純粋に体が動かない。寝返りも打てない。テレビが置いてある側にリモコンを向けてボタンを押すこともできない。動きたくても動けない。安静というか、その場にジッとしているしか選択肢がない。あの感覚は本当に怖かったです。
そういう状態ですけど、頭の中はいつも通りなのでいろいろ考えるんです。「もうアカンのちゃうか」「仕事できないんじゃないか」「この先どうなるんや」。そういう考えが常にめぐっていました。
首から上は何ともないんだから、首だけマイクの前に置いてもらって、あとの体は治るまでどこかに置いておいてもらう。そんなことも考えるくらい、本当に滅入っていましたね。