「翔子にとっては、千何百人を相手にパフォーマンスするのも、ひとりのお客さまに<お待たせしました>ってランチを出すのも、まったく同じなんです。」(泰子さん)

翔子 心をこめて。みんなに笑顔になってほしい。

泰子 皆さんに元気と、何をあげたいの?

翔子 笑顔と、ハッピーと感動。

泰子 以前は翔子の父親が遺してくれた、かなり広い一軒家に住んでいました。でもずっとこの商店街で暮らしたいと思っていたところ、いい場所が見つかって、80歳になる直前に引っ越したのです。

私の住まいは、介護生活のことを考えてエレベーターで部屋の前まで行ける、バリアフリーのワンルーム。持ち物の9割は、思い切ってとにかく捨てました。翔子のマンションにあったものもだいぶ捨てましたね。

翔子 すぐ終わったね。

泰子 引っ越しね。翔子は模様替えが好きで、家具を自分で動かして、もうここに引っ越して10回はやっていますね。この間お部屋に行ってびっくりしたの。ベッドが部屋の真ん中。