厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると「1日あたりのたんぱく質摂取量・平均推移」は、1995年をピークに減少傾向にあるそう。そのようななか「たんぱく質不足は、本来吸収されるはずの栄養素ではなく不要なものを吸収してしまう<腸漏れ(リーキーガット症候群)>を引き起こし、さまざまな不調の原因になる」と語るのは、消化器内視鏡専門医の平島徹朗先生と秋山祖久先生です。そこで今回は、お二人の著書『胃と腸のプロが図解で徹底解説 腸漏れ解決とたんぱく質で最新腸活!』から一部引用、再編集してお届けします。
老化・万病・肥満のもと!? たんぱく質不足のリスク
老化・不調・冷えを改善! たんぱく質が体を変える!
「三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質で最も重要なものは?」
と聞かれたら、私たち消化器専門医は口をそろえて「たんぱく質」と答えます。たんぱく質は全身の細胞の材料になる、体にとても影響がある栄養素なのです。このたんぱく質が不足すると、体にどのような影響を与えるか、4つの例を挙げて説明していきます。

<『胃と腸のプロが図解で徹底解説 腸漏れ解決とたんぱく質で最新腸活!』より>
1つ目のリスクとして挙げられるのは、細胞の老化です。体の細胞は、つねにターンオーバー、すなわち生まれ変わっています。たんぱく質が不足すると新しい細胞がつくれないのでターンオーバーがうまくいかず、細胞がどんどん老化してしまいます。
2つ目は、さまざまな体の機能の低下が挙げられます。たんぱく質は、ホルモンや酵素、抗体の材料になります。そのため不足すると、消化吸収力、神経伝達機能、免疫力などが低下してしまうのです。