人は誰でもこの姿勢が取れるようになる
年を取って、もはや恐れるべきものも段々と少なくなった時、人は誰でもこの姿勢が取れるようになる。若い時にはまだ世間をはばかり、常識にとらわれ、権威を恐れているから、自分をさらすことなどとてもできない。
人生の終わりはいつ来るかしれない。若い人ならうんと先だという保証もない。
だから私は、平凡なイタリア人が、ほとんど毎日のように「なんて私の生涯は豊かだったのだろう」と言い続ける日々を羨むのである。
※本稿は、『人生の後片づけ: 身軽な生活の楽しみ方』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
『人生の後片づけ: 身軽な生活の楽しみ方』(著:曽野綾子/河出書房新社)
「50代、私は突然、整理がうまくなった」
いらないものを捨て、身軽な暮らしを楽しむ。
豊かな老いへの知恵溢れる、身辺整理の極意。