歴史は生きた分だけしか語れない
本を書きましたけど、しみじみね、歴史って「自分の生きた分だけしか語れない」っていうことを思ったんです。死んだ人は自分を語れない。生きて残った人はいい気なものなんです。生き残ったから語れるのであって。
私の母親もたまたま子どもたちを失わなかったから、過去を語れる。紙一重ですよね。もしひとりでもきょうだいを亡くしていたら、一切過去を語らずに生きていたかも知れない。本当に雲泥の差ですよ。歴史は難しいですね。
語るのは結局、自分のためなんです。なぜなら自分が経験したことしかしゃべれませんから。でもいろんな人が勝手なことをしゃべって、その一つひとつが集まってはじめて、全体が見えてくるんです。歴史ってそういうものなんじゃないのかな。だから私もそれから、「戦争を本当は知らない私たちのような世代も精一杯しゃべってもいいな」って思うんです。
後編では、加藤さんがプロデュースするNozomi Lynさんに託す思いについて紹介します。
<告知>
●加藤登紀子コンサート情報
加藤登紀子コンサート2025 in Harbin with ハルビン交響楽団
中国・ハルビン音楽庁ホール
2025年8月23日(土)
開場 18:00
開演 19:00
出演者
歌:加藤登紀子
演奏:ハルビン交響楽団
ゲスト:菅野よう子(Pf.)、五条院凌(Pf.)、Nozomi Lyn(Vo.)、Yae (Vo.)
コンサート情報はこちら
https://www.tokiko.com/
●CD情報
加藤登紀子60周年記念企画アルバム「for Peace」好評発売中
新録15曲を含む全35曲、2枚組作品。加藤登紀子の平和への切なる想いと60年のキャリアを共に歩んだ楽曲たちを収録。
●Nozomi Lyn
配信シングル「渡り鳥の子守唄」
2025年8月22日 各音楽配信サイトにて配信スタート
加藤登紀子が作詞作曲を手掛けた「渡り鳥の子守唄」を、日本に生まれ、中国、アメリカで育ったNozomi Lynが、同一曲を日本語、中国語、英語の3verで歌唱。
CD「渡り鳥の子守唄」2025年9月17日発売







