重要な違い
いくつかの重要な違いも見られた。母親は、育児を主に担当していない父親より扁桃体の活性が強かった。そうした父親は、母親より上側頭溝の活性が強かった。
育児を主に担当している父親では両方の領域で高い活性が見られた。同性愛者の父親の場合、子供と血のつながりがあるかどうかに関係なく、脳の活性化に有意な差は見られなかった。
父親全体で言えば、子供の世話に直接関わる時間が長い父親ほど、わが子とのやり取りの動画を見ている際の扁桃体と上側頭溝の間の接続性が強かった。この発見は、「親の脳の発達における、実際の育児経験の重要性」を裏付けている。
※本稿は、『奇跡の母親脳』(新潮社)の一部を再編集したものです。
『奇跡の母親脳』(著:チェルシー・コナボイ 訳:竹内薫/新潮社)
「親になると、脳が変わる?!」
ピュリッツアー賞受賞のジャーナリストによる、従来の「母性神話」では説明のつかない、人類の脳と育児の謎に迫る衝撃のレポートです。