それぞれのビタミンが重要な役割を担っている

ビタミンAは、皮膚や粘膜などの「上皮組織」を保つ働きをしています。レバー、うなぎ、卵などに多く含まれます。ビタミンAが不足すれば、皮膚や粘膜が荒れるだけでなく、荒れた部分から細菌やウイルスが入りやすくなり、感染症のリスクを高めます。

ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質の代謝に深く関わっており、栄養学的に極めて重要なビタミンです。それらについては、後で説明しましょう。

『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(著:牧田善二/日本実業出版社)

ビタミンCは、皮膚や骨を健康に保ったり、免疫を維持したりする働きがあります。また、体内でコラーゲンを合成するために必須のビタミンです。本来、ほとんどの哺乳類は体内でビタミンCをつくり出せるものの、霊長類はその能力を失っています。野菜や果物に多く含まれますが、加熱調理で失われやすいのがネックです。

キノコ類や、鮭、サバなどに多く含まれるビタミンDは、カルシウム代謝に深く関与しているため、不足すれば骨がもろくなります。ビタミンDが足りなければ、いくらカルシウムを摂ってもうまく吸収されずに、骨は強くなりません。

このほか、ビタミンEには抗酸化作用があり、ビタミンKは血液凝固に関わるなど、それぞれのビタミンが重要な役割を担っています。