茹でて減らさない工夫が必要
ビタミンB6は、タンパク質とアミノ酸の分解・再合成に必須です。また、脂質や炭水化物の代謝や、神経伝達物質の合成にも寄与しています。比較的、欠乏しにくいビタミンとされているものの、タンパク質を多く摂る人は不足しないように注意が必要です。まぐろや米ぬか、とうがらしなどで補いましょう。
ビタミンB9は、ほうれん草から発見されたことから葉酸と呼ばれています。この葉酸とビタミン12は、赤血球の生成に欠かせないため「造血ビタミン」ともいわれます。
葉酸が不足すると、血をつくる機能に異常を生じ「巨赤芽球性貧血」(骨髄に巨赤芽球と呼ばれる異常な赤血球が産生される貧血)の原因となります。とくに、妊婦が不足すると、胎児への影響が懸念されます。加えて、葉酸不足によって血液中にホモシステインという物質が増えると、動脈硬化の原因になることが知られています。
ビタミンB群は水溶性であるため、茹でると2割前後が失われる可能性があります。茹でて栄養が流れ出さないように、ときには蒸したり生で食べたりと調理法も工夫しながら、まんべんなくB群が摂れるようにしましょう。
※本稿は、『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(著:牧田善二/日本実業出版社)
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著者は、生活習慣病・肥満治療の専門医であり、累計200万部超のベストセラーを持つ牧田善二氏。
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