ひたすら台本と格闘して
今回、台詞量がとにかく膨大でした。岩手弁と、浅田先生が東北弁をもとに創作した方言と両方覚えなければならなかったので、時間が必要だったんです。撮影が始まったのは昨年の4月でしたが、前年の12月から年末もお正月もなく、人とも会わず、ひたすら台本と格闘しました。
準備は大変だったものの、撮影は本当に楽しくて。ロケ地は、プライベートでも何度か訪れている岩手県の遠野。大好きな場所に、春の訪れを感じながら1ヵ月も滞在できたのは、つくづく幸せでした。
印象に残っている台詞は、「のへらほんで生きてけれ」。ゆっくり、ゆったり生きてほしい、という意味です。今の時代、時間や情報に追われている人も多いと思いますが、それを忘れさせてくれる作品になっています。
「このドラマが受け入れられなかったら、もう何を目指したらいいかわからない!」くらいの思いで取り組んだので、ぜひ観ていただけると嬉しいです。
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ヘアメイク:
奥川哲也(dynamic)
スタイリング:
石田純子(office DUE)
衣装協力:ワンピース 46,200円、パンツ 19,800円/ともにDUE deux(TEL03・6228・2131)イヤリング 297,000円/ウノアエレ(ウノアエレ ジャパン TEL0120・009・488)ブーツ 39,930円/J&M デヴィッドソン(モーダ・クレア TEL03・3875・7050)
※商品価格はすべて税込です
出典=『婦人公論』2025年9月号
宮本信子
女優
1945年北海道生まれ。63年、文学座附属演劇研究所に入る。夫である伊丹十三監督の映画に多数出演し、『マルサの女』ではシカゴ国際映画祭最優秀主演女優賞ほか多数受賞。近年の出演作に、映画『キネマの神様』、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』などがある。ドラマ『母の待つ里』は8月30日より放送開始(NHK総合・土曜夜10時~/全4回)