『婦人公論』9月号の表紙に登場した宮本信子さん

ひたすら台本と格闘して

今回、台詞量がとにかく膨大でした。岩手弁と、浅田先生が東北弁をもとに創作した方言と両方覚えなければならなかったので、時間が必要だったんです。撮影が始まったのは昨年の4月でしたが、前年の12月から年末もお正月もなく、人とも会わず、ひたすら台本と格闘しました。

準備は大変だったものの、撮影は本当に楽しくて。ロケ地は、プライベートでも何度か訪れている岩手県の遠野。大好きな場所に、春の訪れを感じながら1ヵ月も滞在できたのは、つくづく幸せでした。

印象に残っている台詞は、「のへらほんで生きてけれ」。ゆっくり、ゆったり生きてほしい、という意味です。今の時代、時間や情報に追われている人も多いと思いますが、それを忘れさせてくれる作品になっています。

「このドラマが受け入れられなかったら、もう何を目指したらいいかわからない!」くらいの思いで取り組んだので、ぜひ観ていただけると嬉しいです。

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