「映画館は私にとって特別な場所です。暗闇に包まれてスクリーンの中の非日常と出会うのが、本当に好きでした」
現在発売中の『婦人公論』12月8日号の表紙は女優の宮本信子さんです。現状を受け入れ、自分の生活のペースを取り戻そうと決意した宮本さん。家の中を徹底的に整理し、音楽や映画、本の世界を楽しんで――発売中の『婦人公論』から、インタビューを掲載します。(構成=篠藤ゆり)

20年続けてきたジャズライブ

今年、外出自粛中は、よくジャズを聴いていました。幼い頃から芸事が好きで、伊丹(十三)さんが亡くなってから新しいことに挑戦しようとはじめたのがジャズライブ。近年は毎年開催しています。約20年、こんなに長く続けられるとは思っていませんでした。

私は人前で自分自身のことを話すのはあまり好きではなく、苦手です。女優として役を演じる時にはびしっとスイッチを入れる。それでいいと思っています。でもライブではやはり素が出ますね。出てしまいますね、かなり(笑)。MCで何をお話ししようかと考えることも楽しいです。

今年は残念ながらライブができませんが、それほど落ち込んではいません。落ち込む暇があるなら、この間に持ち歌を増やしておこうと思っています。いつかまた、機会が訪れたら思い切り楽しむつもりです。