映画館は非日常と出会える特別な場所
公開中の映画『STAND BY ME ドラえもん2』では、のび太のおばあちゃんの声を担当しています。『ドラえもん』は誕生してもう50年になるんですね。それだけ愛されている作品なので、ぜひ出演させていただきたいと思いました。それに脚本・共同監督を務められた山崎貴さんは、かつて伊丹組の現場にいらした方。当時、若い山崎さんの印象は、いつも走り回っていらした(笑)。あの彼が、素晴らしい監督になられたことが、本当に嬉しい。そういうご縁がある作品です。
今回、一番好きだったのは、「おばあちゃんは、ここで待っているから」という台詞です。いつでも戻ってきていいよ。おばあちゃんは、いつものびちゃんを見ているよって。誰かが自分を守ってくれている。自分を優しさで包んでくれる人がいたら、つらくて逃げ出したりしても必ずその人のところに戻ってくると思うのです。のび太のおばあちゃんはそういう存在ですね。
できあがった映画の完成版はまだ観ていません。私は子どもが大好きなので、劇場で子どもたちがどんな反応をするか、一緒に映画館で観たいから。こっそり映画館に行くつもりです。
映画館は私にとって特別な場所です。叔父が名古屋で映画館を2館持っていたので、小さい頃からフリーパス。暗闇に包まれてスクリーンの中の非日常と出会うのが、本当に好きでした。私の人生において、映画の影響はとても大きいと思います。
今年はコロナで、今まで当たり前だと思っていたことが、決して当たり前ではないと思い知らされました。「あなたたち、もっと考えなさい」と言われているような気がしますし、いい知恵を出し合ってこの状況とつきあうしかないですね。
長くこの仕事を続けてこられたのは、本当に幸せなことです。これからも、自分が演じたいと思える役と出会い、より深く演じられたらいいなと思っています。