石井 僕たち、ネオクラシックコンビ(笑)。亮太くんに即興の手ほどきを受けて、少しアレンジして、より聴きやすいように仕上げて演奏したりもしたし。

亮太くんのインスピレーションと、僕のクラシックのインスピレーションを融合させた演奏というのは唯一無二だと思うんだよね。なんだけど、僕たち2人で演奏会のプログラムを考えたりすると、あんまり知られていない曲をやりたくなってしまう(笑)。

菊池 ガーシュウィンの『セカンド・ラプソディ』やりたいなとか。これはガーシュウィン自身がオーケストレーションを施した、第2の『ラプソディ・イン・ブルー』といわれる曲。

石井 いやもう、ヤバい(笑)。

菊池 海外でもほとんど演奏されない。

石井 日本ではゼロじゃない?

菊池 たぶん日本ではないね。オーケストラ版も映像で残っているものはおそらく数えるほどしかない。2台ピアノでやっている人は、ほぼいないんじゃないかな。でも2台ピアノの譜面はあるんだよね。だから、やれればなと、提案してみたい。本当にやれるかどうかはわからないけどね。

石井 戦々恐々としております(笑)。いや、でも、まだ僕が亮太くんのことを知らなくて、会ったこともなかったときに、亮太くんのX(旧Twitter)で、そういうあまり知られていない名曲を取り上げているのを見たんだよね。それで、「この人は絶対、《どクラシック》の人だ」って思った。この人のベースにはクラシックがあって、クラシック愛があるんだなというのをすごく感じた。音楽に対する造詣もすごく深いし。音楽の話を始めたら止まらないもんね。

菊池 好きだから(笑)。

石井 一生しゃべり続けそうな勢い(笑)。僕たち、帰りのタクシーの中でもずっと音楽のことしゃべってるもんね。亮太くんがすごいのは、飲んでいなくても、飲んだくらいのテンションでしゃべれるところ(笑)。