「ぐっすり眠れないと健康に悪いのでは?」と不安に感じているあなた。もしかすると眠りに対する思い込みや誤解があるかもしれません。そこで世界的な睡眠学者であり、ノーベル賞候補ともいわれる柳沢正史先生に話を聞きました(構成:山田真理)
Q. 寝る前のスマホは睡眠の質を下げるの?
A. リラックスできる内容ならOK
スマホは画面が明るく、短波長の強い光(ブルーライト)には覚醒作用があるため、「睡眠に悪影響がある」といわれます。しかし最近のスマホには、周囲が暗くなると自動的に画面が暖色になって暗くなり、ブルーライトをカットする機能が備わっているので、それほど心配する必要はありません。
むしろ注意したいのは、視聴するコンテンツの内容。ショート動画やゲーム、SNSで「いいね!」を押したりコメントを書き込んだりする行為は、脳を刺激して眠りを妨げてしまいます。
寝る前はリラックスできる自然の風景の動画、難しい文章など、いわゆる「眠くなる」コンテンツを選ぶといいでしょう。
また、居室の照明を見直すことも大事です。眠りに導くホルモンであるメラトニンが分泌されるのは、21〜22時頃から。その時間に強い光が目に入るとメラトニンの分泌が抑制され、体が眠る準備を整えられません。
日が沈んだらリビングは「薄暗い」と感じるくらいの暖色系(電球色)の照明がおすすめです。寝室は真っ暗にするのが基本ですが、夜中にトイレに行く時不安を感じる人は、ごく暗いフットライトを活用しましょう