いつも迎えの車が来る30分前から外に出ている…(写真:stock.adobe.com)
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高齢者の時間感覚

遙洋子さんの本の中に、高齢の方と待ち合わせをすると共通した行動が見られる、という話があった。

「家に迎えに行くので待っていてください」と言うと、必ず玄関の外に出て待っているのだという。私の身近にも同じことをしている人がふたりいるので、納得してしまった。

ひとりは近所に住む男性。週3回デイサービスに通っているようだが、いつも迎えの車が来る30分前から外に出ている。直立不動で姿勢がよく、微動だにしない。その厳格な振る舞いに、「警察官だったのでは?」と夫は想像しているほどだ。

もうひとりは同居している私の母。嫁いだ私の娘が車で迎えに来て、母を病院やスーパーに乗せていってくれるのだが、そのときはいつも外で待っている。

遙さんの本によると、老齢になると、特有の時間感覚を持つそうだ。私も外で迎えを待つことこそないが、「誰かが迎えに来る」となれば、当日の朝起きた瞬間から、時間が気になってしまう。大袈裟に焦ることもあるし、身なりをきちんとして、家の戸締まりもしっかりする。

「準備は万全だ。さあ、いつでも来い!」という達成感のあらわれが、外で待つという行動なのだろうか。

だが、迎えに行く側としては、プレッシャーを感じることもあるだろう。その証拠に、前述の男性を迎えに来るデイサービスの方の第一声は、毎回「ごめんね、待った?」である。


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