難聴が認知機能の低下に直結する理由
問題は二つです。一つは、人とのコミュニケーション不足に陥ることです。相手の話が聞きとりにくくなると、会話が減り、人や社会とかかわろうという気力も低下していきます。
「家族みんなが楽しそうに話しているのに、自分は話が聞きとれず孤独を感じる」
「患者は私なのに、医者の話が聞きとれないから、医者は付き添いの娘とばかり話している。治療も投げやりな気持ちになってしまう」
これらは、耳が遠くなった高齢の患者さんから聞いた、偽らざる気持ちです。
何を言っているのか聞きとることができないから、誰とも話すことができない。結果として、社会的に孤立してしまう。こうなってしまうと、うつ傾向が強まったり、認知症が進むという流れになってしまうのです。