もの忘れ、これって認知症?
高齢になると、「自分は認知症では?」と不安を感じる方が増えてきます。「知り合いの名前が思い出せない」「何を取りに来たか忘れてしまう」といった経験があると、なおさら不安が強まります。
実際には、認知機能が低下しても日常生活に大きな支障がない段階として、「軽度認知機能障害(MCI)」があります。MCIと認知症を見分けるポイントは、「生活に支障があるかどうか」です。MCIの方はもの忘れを自覚し、不安を感じやすい一方、認知症では自覚が乏しく、周囲の指摘に否定的な反応を示すことが少なくありません。
認知症を疑うきっかけは、本人ではなく、ご家族や警察、介護スタッフなど周囲の方から診断を求められるケースが多くあります。
特に、徘徊や暴言、暴力など、いわゆる行動・心理症状(BPSDともいいます)がみられると、周囲が異変に気づきやすく、認知症の可能性を考える大きなポイントとなります。