認知症の4つのタイプと、見逃せない“治る認知症”
認知症は、原因となる病気によっていくつかのタイプに分かれます。代表的なものは以下の4つです。
・アルツハイマー型:最も多く、記憶障害が中心。
・脳血管性:脳梗塞や脳出血などのあとに起こります。
・レビー小体型:幻視や手足のふるえ(パーキンソン症状)が特徴です。
・前頭側頭型:性格や行動が急に変わるのが目立ちます。
それぞれ、症状の出方や進行のしかたが違うため、診断や治療方針も異なります。
また、適切に治療すれば回復が見込める「治る認知症」もあります。たとえば以下のようなケースです。
・頭を打ったあとに起こる認知症(慢性硬膜下血腫)
・歩きにくさや尿もれを伴うもの(正常圧水頭症)
・ホルモンや栄養の異常によるもの(甲状腺の病気やビタミンB12不足)
・薬の副作用によるもの
これらは「可逆性認知症」と呼ばれ、早期に対応すれば改善が期待できます。ただし、見分けには認知機能の検査やMRI(磁気共鳴画像)などの画像診断が必要です。家庭医だけで判断が難しい場合は、「もの忘れ外来」など専門機関と連携して診断を進めます。