家族の“しんどさ”を軽くするケアとは?
認知症と診断されると、ご家族が精神的にも身体的にも大きな負担を感じることがあります。たとえば、昼夜逆転により夜間の見守りが必要になり、家族が十分に眠れなくなることもあります。
認知症の治療では、本人への対応だけでなく、家族の負担を軽くすることも大切です。昼夜逆転には睡眠リズムの調整、攻撃的な言動には気分の安定を図る工夫など、症状に応じて適切な対応を考えます。
また、デイサービスの利用回数を増やす、ショートステイを活用するといった支援も効果的です。ご家族が心身ともに健康でいることは、患者さんの生活の安定にもつながります。地域包括支援センターやケアマネージャーと連携し、無理のない介護環境を整えることが第一歩です。
※本稿は、『町医者2.0 病気やケガのよくある症状を診察室でぜんぶ聞いてみた』(日刊現代)の一部を再編集したものです。
『町医者2.0 病気やケガのよくある症状を診察室でぜんぶ聞いてみた』(著:鹿野耕太/日刊現代)
本書は、家庭医療専門医がどのように日々の診療に取り組んでいるかを、1日の診察内容を追体験する形で構成されています。
病気やけがの対処法に対する知識はもちろん、「家庭医とはどんな存在なのか」も知ることができる一冊です!