手書きで記憶する(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)

「新聞を読んでいる人のほうが認知症の進行がゆるやかだったり、発症年齢が高い」と指摘するのは、脳神経外科医で1万人以上の脳を診てきた石川久氏。いつもの新聞の読み方を「ひと工夫」するだけで、記憶力や集中力・基礎思考力など、脳のさまざまな機能を刺激することが可能になります。認知症を遠ざける新聞の読み方とは――著書『最近、「あれ」「それ」が増えてきた人のための70歳からの脳が老けない新聞の読み方』より、一部を抜粋して紹介します。

読めるけど書けない……そんな漢字を見つけて練習してみよう

昔にくらべて、文字を書く機会が減っています。

手紙はLINEやメールにとってかわり、申請書類もスマホやパソコン入力で完結できるようになりました。気づくと、「今日はひと文字も手で字を書かなかった」ということも珍しくないと思います。

スマホやパソコンには文字の変換機能があるので、「読めるけど書けない」という漢字も増えているのではないでしょうか。

新聞を読むときは、頭の中で「その漢字が書けるか書けないか」に注意しながら読んでみてください。書けるかどうか怪しい漢字が見つかったら、新聞を読み終わったあとに、ペンを手に取って紙に向かってください。

すんなりと書ければ大丈夫ですが、もしも書けなかった場合は、覚えるまで何回も練習することをおすすめします。

実際に手を動かすので、脳の記憶の分野だけではなく、運動をつかさどる部位にも刺激を与えてくれます。