料理のレシピやコツをネットで検索して試してみても、なかなか上達しない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。料理教室を主催している料理研究家・水島弘史さんは「実はそのネットのレシピや動画が、かえって料理を難しくしてしまっていること、お気づきでしょうか?」と話します。そこで今回は、水島さんの著書『プロが大切にしている たった一つの料理のルール』から、料理をラクに楽しむ基本を一部ご紹介します。
甘いと感じない程度の砂糖が隠し味
砂糖の量の基本を知っておきましょう。
私は飲食店や食品メーカーと協力してレシピを考案することがあります。その場合、塩には明確な基準がありますが、砂糖の場合は辛みと同様に好みの差が非常に大きいものです。料理人や店の個性によって数倍以上の違いが出ます。
料理に砂糖を使う場合は、まず塩を軸に考えてください。砂糖は、塩分と同量〜2倍までは「隠し味」程度のものです。
トマトでかんたんな実験をしてみると変化がよくわかります。トマトに少し塩を振って食べることがありますよね。そのときに、塩と同量の砂糖を同時に振ってみてください。次に倍量の砂糖、次に2倍、3倍と増やして食べてみます。
たとえば、トマト1個(100グラム程度)にまず1グラムの塩を振ってそのまま食べてみて、次に砂糖を1グラム、2グラム、3グラムと増やしていくのです。
砂糖1、2グラムでは、はっきりとした甘みは感じません。「トマトの甘みかな?」くらいでしょう。それが3倍になると「砂糖を加えた」ことがわかりやすくなってきます。