隠れ塩分、隠れ糖分に要注意
私自身は、塩と砂糖の比率は「1対5」までが限界だと思っていますが、外食や市販の商品にはもっと砂糖が多いものも多く、特に最近好きな人が多いバターチキンカレーなどには、7〜8倍入っている場合もあります。
もともと西欧の料理は砂糖を使っていませんでした。塩となんらかのソースが基本になっています。糖質は素材そのものが持っているものである場合がほとんどです。「砂糖を加えた料理」というのはアジア圏独特のものといっていいでしょう。本来の西欧料理は、料理に砂糖を使わないからこそデザートがすごく甘くなったのです。
和食はもともともみりん、砂糖を使います。近年はますます、塩分と同様砂糖の量も増えて甘くなってきています。甘からいてりやきソースは海外からの逆輸入で日本でも一般的になりましたが、料理はますます甘く、かつ塩辛くなっていて、さらに甘いスイーツを食べれば、必然的に糖質過多になりがちです。
しかも砂糖でなくても主食の米に糖質が多いのですから、せめてスイーツのとりすぎや、家庭料理での砂糖過多は控えた方がいいでしょう。
※本稿は、『プロが大切にしている たった一つの料理のルール』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
『プロが大切にしている たった一つの料理のルール』(著:水島弘史/青春出版社)
本書は、プロの料理人である著者が、味つけの要となる「たった一つのルール」、つまり塩加減を軸に、食材への火の通し方、味の組み立て方についてやさしく解説します。
ありあわせのものでサッとつくっておいしくなる、そんな“料理上手”になるための考え方やコツを多数紹介します。