無限のプチマウント合戦
たとえば、友人同士の会話の中で「それ知ってるよ」と先に言いたくなることはないでしょうか。誰よりも先に情報を知っていることで、少し優越感を覚えたり、自分が物事を理解していると示したくなる。その気持ち自体はたいして悪いものではありませんが、それが過剰になると、相手に不快な思いを与えてしまいます。
またSNSでは「私のほうが幸せ」「私のほうが充実している」とアピールする投稿が溢れています。旅行先の写真、豪華な食事、成功体験などを見せることで、周囲に「自分はすごい」と思わせたい心理が働くのでしょう。それを見た側も「自分は負けているのでは」と感じ、同じように自分を誇示する「盛った」投稿をしてしまう。
こうして、無限のプチマウント合戦が繰り広げられるのです。
この構図は、職場や家庭内でも同じです。仕事で「自分が一番頑張っている」と思うと、他の人の努力が見えにくくなり、不満が募ります。家庭でも「自分のほうが家事をしている」と思うと、相手が怠けているように感じてしまいます。
こうして、お互いに「自分こそが正しい」と主張し合う関係になり、結局は疲弊するのです。