よく噛むことで体が脂肪燃焼モードに

よく噛むことのメリットは、それだけではありません。よく噛むと、体が脂肪燃焼モードに入ります。食べるという行為自体が代謝を上げますが、これを食事誘発性熱産生と言い、よく噛むとこれが高まるのです。

よく噛むグループと噛まないグループに分けて調べると、よく噛むグループの方が消費カロリーが多かったというデータがあります。それによると、食後3時間あたり、噛まないグループが15kcalなのに対し、よく噛むグループでは倍の30kcal消費されたと言います。これは年間にして体脂肪2kgも多く燃やすことができるかもしれない大きな差です(東京工業大学大学院社会理工学研究科・林直亨教授らの研究)。

若いころは痩せていたのに、年とともに、いつの間にか太っていたというのは、多くの人が経験することでしょう。そういう人は、よく噛むことで若い頃と同じ体重に戻せるかもしれません。

※本稿は、『日体大教授が教える 「脂肪燃焼」食 運動0でお腹が凹む!』(講談社)の一部を再編集したものです。

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日体大教授が教える 「脂肪燃焼」食 運動0でお腹が凹む!』(著:岡田隆/講談社)

科学的に正しいダイエットとは、人体を太らせる力を持つ「三大栄養素(脂質・炭水化物・たんぱく質)」を自在に操り、たくさん食べても太らない体を作っていくもの。

医師や管理栄養士でさえ気づいていない「脂質の適正化」(厚生労働省が推奨する脂質量)のみがしっかり食べながら、ストレスなく痩せる唯一の方法だったのです。