長い目で見れば確かな力になる
このように、少量でもコツコツ栄養をとり続けることで、体によい変化をもたらすことが研究でもわかってきています。
日本の大規模な疫学調査「J -MICC研究」では、小魚(ししゃもやいわしなど)を週に1〜2回食べる習慣のある女性は、食べる習慣のない女性に比べてがんや全死亡リスクが30〜35%も低いという結果が報告されています(Cambridge University Press & Assessmentより)。
小魚は、カルシウムや鉄分、ビタミンD、オメガ3脂肪酸など、微量栄養素がぎゅっと詰まった食材。1回の量こそ控えめでも、定期的に食べることで、体の中に確かな変化が積み重なっていく好例といえるでしょう。
また、国立がん研究センターなどが行った「JPHC Study(多目的コホート研究)」では、約9万人の中高年男女を平均15年追跡。
そのなかで、納豆をはじめとする発酵性大豆食品(味噌、豆腐など)を日常的に食べている人は、そうでない人に比べて心臓病や脳卒中などの「循環器疾患による死亡リスクが明らかに低い」という結果が報告されました(※BMJ誌2020年発表)。
つまり、毎日の「ちょい足し」や「ひと口の工夫」も、長い目で見れば確かな力になるということです。安心して「毎日コツコツ365」を続けてみてください。
※本稿は、『食が細くなってきたら!少食でもちゃんと栄養がとれる食べ方』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『食が細くなってきたら!少食でもちゃんと栄養がとれる食べ方』(著:関口絢子/アスコム)
「食べることは生きること」。けれど、それは「たくさん食べること」ではありません。
大切なのは、自分の体に合った“がんばらない食事”。
少食で悩む人に寄り添いながら、食べる楽しさと、生きる希望をもう一度取り戻すヒントをくれる一冊です。