(写真提供:Photo AC)
年齢を重ねるとともに「食欲がわかない…無理に食べるのがつらい」「すぐにお腹がいっぱいになるけど、健康のためにもっと食べなきゃ…」と感じるようになった方もいるのではないでしょうか。そのようななか、「小さなコツを実践するだけで、『食べきれる量』でありながら『不足しがちな栄養をきちんと満たす食事』に近づけることができます」と語るのは、管理栄養士で料理研究家の関口絢子さんです。そこで今回は、関口さんの著書『食が細くなってきたら!少食でもちゃんと栄養がとれる食べ方』から一部を抜粋してお届けします。

少食さん最大の敵「かくれ低栄養」とは?

少食さんは食事量が少ない状態に慣れていて、そのままなんとなく生活を続けている方も多いのではないかと思います。

ですが、そんな少食さんに注意していただきたいのが「かくれ低栄養」というリスクです。

低栄養とは、エネルギー(カロリー)のほか、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの体に必要な栄養素が慢性的に不足している状態をいいます。低栄養は「やせている」「太っている」という見た目だけでは判断できず、自分で気づきにくいのが怖いところです。

低栄養になると、おもに次のようなトラブルが起こりやすくなります。

・免疫力の低下……免疫機能が衰え、風邪やインフルエンザに感染しやすくなる
・回復力の低下……傷の治りが遅い、手術後や病後になかなか体力が戻らない
・骨粗しょう症……骨がもろくなり、ささいなケガでも骨折しやすくなる
・皮膚トラブル……肌の乾燥、床ずれなどが起こりやすくなる
・貧血……だるさ、めまい、息切れといった症状が出る
・薬が効かない……内臓が弱って薬効が出にくい、薬をスムーズに代謝できない