加藤タキさん(右)と安藤和津さん(左)(撮影:天日恵美子)
プライベートで長いつき合いだという、加藤タキさんと安藤和津さん。それぞれ80歳、77歳を迎えた今も、仕事に趣味に、充実した毎日を送っています。人生を楽しみ続けるために、大切にしていることとは――(構成:内山靖子 撮影:天日恵美子)

前編よりつづく

「ダメでもともと」でやってみる

加藤 たしかに、年齢を重ねるとネガティブに感じることが増えるわよね。和津ちゃんのつらい体験と比べるのは申し訳ないけれど、私、眉毛に白髪を見つけたときは、「何、これ?」とショックを受けたもの。

安藤 私も眉毛に白髪ある~。

加藤 物忘れも激しくなるし、セルフレジでモタモタするし。

安藤 私も先日、セルフレジでスキャンしなきゃいけないバーコードが見つからなくて。あたふたしていたら、隣にいたギャルが「ここにありますよ~」って教えてくれた。(笑)

加藤 とはいえ、「老い」は誰にでも平等に訪れるでしょう。だったら嘆いていても仕方がない。どうしたらもっと楽しく年齢を積み重ねていけるだろうと考えたとき、私は自分の周りにいる先輩方や同世代の女性を見回してみたわけ。

そうしたら、同い年の女性が急にイキイキとして、体形もスリムになっていた。理由は、社交ダンスを楽しんでいたから。それで私も「やってみよう」と思った。

安藤 その気持ちが大事よね。

加藤 そう。「できる、できない」じゃなくて、まずは意欲と好奇心を持ち、深く考える前に行動する。私は昔から、「ダメでもともと」と思うようにしているの。やってみてダメなら、やめればいいだけの話よ。

先日、ダンス教室の記念晩餐会でご一緒した方は、80歳から始めて88歳の今も続けているとおっしゃっていた。「8年間、楽しくてしょうがない」と笑っていたわ。

安藤 素敵ねえ。実は私も、タキ姉に誘われてシャンソンのレッスンに参加させてもらって。まだ1回しか受けていないけれど、とっても面白い! でも、艶っぽい歌を孫の前で練習するのは、ハードルが高いわ。(笑)