日本がガラパゴス的超進化を遂げた理由
2000年にオープンし、四角や棒状など抽象的な形のスタイリッシュなパンで時代を画した「デュヌラルテ」もパンシーンを大きく変えた名店です。
パンとは、グルテンを作り、酵母の発酵による炭酸ガスでふくらむものですが、デュヌラルテがやったことは、「グルテンを出さない」「発酵をとらない」と真逆。ざっくざくのクロワッサンなど、まだ誰も食べたことのない新感覚を作り出しました。
この流れからは、「365日」「TOLO PAN TOKYO」「パンとエスプレッソと」などイノベーティブなパン屋さんを多数輩出しています。
そんなふうに、凄腕の職人たちがパンシーンに多数存在し、ライバルとして切磋琢磨しながら、次々とイノベーションを起こしていったことが、日本がガラパゴス的超進化を遂げた理由なのです。
※本稿は、『パンビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『パンビジネス』(著:池田浩明、瑞穂日和/クロスメディア・パブリッシング)
なぜあのパン屋には行列ができるのか?
地方のパン屋が地域創生の核となれるのはなぜか?
パン飲みという新しい文化はどう生まれたのか?
単なる食べ物を超えた、パンの持つ力について考察を深めていきます。