朝食の食パンから高級ベーカリーのこだわりパンまで、パンは私たちの日常に欠かせない存在ですが、その世界を深堀りしてみると、さらなる魅力が発見できるかもしれません。今回は、共に大のパン好きであるというNPO法人新麦コレクション理事長・池田浩明さんと編集者・瑞穂日和さんの著書『パンビジネス』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。瑞穂さんによると、近年、パン×料理×お酒を楽しむ新しい食体験として「パン飲み」が注目されているそうで――。
注目されるパン飲み
今やパン好きだけでなく、幅広い層に受け入れられるようになったパン飲み。パン×料理×お酒を楽しむ新しい食体験として、2018年ごろからメディアにその言葉が登場しました。
パン飲みとはなにか? ひと言でいえば、おつまみの代わりにパンを主軸にして、ディップやチーズ、パテなどとの組み合わせを楽しむスタイルです。
パンと料理、お酒を合わせれば何でもパン飲みになるのか――その定義は意外と曖昧で、個人的にも線引きは難しいと常々思っています。
ただ、パンが主役であること、そしてそのパンを中心に料理とお酒を組み合わせて味わう楽しさを提案しているなら、それは立派なパン飲み。言葉としてもキャッチーで、親しみやすく広がりやすいこともあり、ここではそのようにご紹介したいと思います。