空に昇るようなエスカレーターを楽しめる人がうらやましい
エスカレーターは、人が乗るものなので、時折事故が起きて、ニュースになる。
私はショッピングセンターのエスカレーターで、高齢の女性が買い物を詰めた自分のキャリーバッグと共に乗ろうとして、バランスを崩すのを見たことがあり、自分も気をつけることにしている。
ロングスカートが流行した頃、同じセンターで、「ロングスカートの方は巻き込まれないようにご注意ください」という店内放送が流れたことがある。
乗る人が気をつけていても、危ないことは起きる。かなり前のことだが、駅の昇りのエスカレーターが、急に止まった。首にムチ打ちのような衝撃を受けた。「キャー」「あぶねぇ」「首にきたあ」という声が、昇る人たちから上がった。お詫びの放送が流れたが、私はベルトを掴んでいなかったら、仰向けに倒れていたかもしれない。
他の人には素敵でも、私には恐ろしいのが、高層のオフィスビルや大きなショッピングセンターにあるビル内が見渡せたり、ガラス張りで眼下の景色が見えるエスカレーターだ。
私は、空に昇る階段のようだと思うが、エスカレーターが苦手なのと、高所恐怖症がミックスされ、緊張の極致に達し、何でこんな目に合わなければならないのだと泣きたくなる。
最上階で待っていた友人が、「素敵な眺めだったわ。降りる時も楽しみね」と言うので、うらやましいと思う一方で、同じ人類なのかと考えた。
エレベーターも、ガラス張りで外が見えるものは、入口の扉に引っ付いて、外を見ないようにしている。