卒業までの4ステップ

それではどんなステップを踏んでいけばいいのか、順を追ってご説明しましょう。

(1)「舌の記憶をたどる旅」に出る

『50歳からの美食入門』(著:大木淳夫/中央公論新社)

お店を楽しむために大事なのは情報のストックですが、やみくもに探してもたどり着けません。

まず自分は何が好きなのかを再確認しましょう。舌の記憶をたどる旅に出るのです。これまで体験してきた、さまざまなジャンルの料理やお酒などを思い浮かべてみてください。

幼い頃好きだった味、母の味、給食、お弁当、カップラーメンに学食、チェーン店のポテトフライや、なぜか毎日食べ続けたお菓子、海外で食べた味、社会に出て初めて遭遇した料理やお店……。

皆さん、これまでの人生で3万~4万回は食事をする機会があったはずです。その膨大な数の食べ物やお店を思い出すだけでも楽しくなったり、切なくなったりすると思います。経験の多さは大人の特権です。脳も活性化し、ストレスも減ることでしょう。