「高血圧」の人は丹念なかけ湯とぬるめのお湯で
若き日の私を、入浴の医学的研究へと駆り立てたのが、「血圧がいくつまでなら安全に入浴できるのか?」という問いでした。
その後、調査を重ねたどり着いた答えは、最高血圧が160mmHg以上、あるいは最低血圧が100mmHg以上の場合は入浴をしないということです。
血圧が正常な人と比較して、入浴前の最高血圧が160mmHg以上の人は3.63倍、最低血圧が100mmHg以上の人は14.71倍、入浴事故のリスクが高まることがわかっています。
これは、全国の2330か所の訪問入浴をしている事業者に調査を行い、596件の入浴事故例と1511件の問題なく入浴を終えた事例を統計学的に比較解析した結果から得られました。
急激な血圧の変動は、脳卒中や心筋梗塞といった循環器系のトラブルの引き金になります。特に高血圧の方は、入浴時の温度差や、熱いお湯で交感神経が強く刺激されることで血圧が急上昇しやすく、事故のリスクが高まってしまいます。
こう話すと、入浴が怖くなってしまうかもしれません。実際に、高血圧の治療をしている方からは、入浴への不安の声を聞くこともあります。
しかし、正しく入浴すれば怖がる必要はありません。むしろ、高血圧を改善することが可能なのです。
※本稿は『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(著:早坂信哉/アスコム)
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それよりも、自宅のお風呂に「この温度」で「この時間」浸かることをお勧めします。




