脳の一部の機能が衰えてもバックアップする「予備脳」がある
予備脳は、予備という言葉から推測できるように、いざというときに備えて前もって準備しておく脳のことです。
いざというときとは、脳の老化が始まったときです。脳にこんな機能があるなんて、初めて知ったという方も多いことでしょう。
予備脳とは脳の特定の部位のことではありません。脳全体に張り巡らされた神経ネットワークが、衰えた機能を支える役割を担っているということです。
目的地にたどり着く道路がたくさんあれば、例えばひとつの道が通行止めになったとしても、別のルートを使えばたどり着けます。
「小指を動かす」という回路がひとつだとその回路が衰えると小指を動かせませんが、別の回路があれば小指を動かせるということです。
脳の偏りによって一部の機能が低下しても、バックアップできる回路がある。それによって老化の症状が抑えられることがあるし、現れないこともある。予備脳とはそういうものだと考えられています。