(写真提供:『後悔しない選択』/KADOKAWA)
16歳で日本代表デビューを果たして以来、日本女子バレーボールを代表する選手として活躍してきた古賀紗理那さん。日本代表のキャプテンとして挑んだ2024年パリオリンピックを最後に、現役引退を表明しました。選手人生を通して多くの選択をしてきた古賀さんが語る「後悔しないための選択」とは?初のエッセイ集『後悔しない選択』より、一部を抜粋して紹介します。

理不尽な暗黙のルール

高校時代を振り返れば、楽しかったことはいくつもあるけれど、それと同じぐらいかそれ以上に理不尽に感じることもたくさんあった。

たとえば《暗黙のルール》。恋愛禁止とか私語禁止。

高校生だった当時、やたらと「禁止」されることがあった。

今でもはっきり覚えているのが、高校3年の時に出場した国体だ。

出場数が限られるので、男女同じ会場で開催されていた大会で、男子と女子の控え室、着替える場所や待機する場所は黒いカーテンで囲われていただけの共有スペースだった。

当時からアンダーカテゴリーで一緒にプレーする他校の選手もいて、久しぶりに会える貴重な機会でもあるので、顔を合わせれば言葉も交わす。中には「他校の選手と話すこと自体禁止」という謎すぎるルールが設けられているチームもあったけれど、私たちのチームにそんな決まりはない。

当然、他校の仲がいい選手に会えば話すのを禁ずる理由はない。