全てを完ぺきにこなすスーパー女性の役

来年の舞台は、泉ピン子さんが主演の『終活を始めた途端、55歳の息子が帰ってきました』という、親子、夫婦といった家族をテーマにしたものです。私が演じるのは「55歳の息子」の妻で、バリバリ仕事をしていて家庭も子育ても完ぺきにこなすというスーパー女性。私とはまったく重なりません(笑)!

私の場合は、子育てとの両立も常に綱渡り! その時その時で、使えるものはすべて使って助けてもらいながらなんとかやっている最中です。目標に向かって突き進んでいくなんて、すごいなあと思うばかり。私は「こうなったらいいなあ」と思ったとしても、ちょっと挫折すると「あ、無理だ、もうあきらめよう…」と…。そして「これも私だよね」と自分を納得させる。要するに自分に甘いんです。(笑)

夫役は佐藤隆太さんで、初めての共演です。夫の母、つまり姑が泉ピン子さん、姑の親友があめくみちこさん。みなさんベテランなので緊張します。お稽古の時間も比較的短いので、その分、自分で仕上げて現場に臨まなきゃいけないからハードルは高いです。たまにはこういう緊張する現場もいいですよね。(笑)

親子のすれ違いや夫婦の葛藤など、家族がテーマの作品。ぜひいろいろな方に見ていただいて、感情移入していただきたいです。家族って身近だけど、いてくれてあたりまえなだけに難しい存在。本当は一人ひとり見えている世界も考え方も違うのに、うっかりそこを忘れてしまいがちです。だからこそコミュニケーションが必要なのかなと思います。わかっているだろうと思って言わないでいることが、決定的なすれ違いに発展してしまうこともあるわけで、今、何を思っているか、そして相手が何を感じているかをお互いに話すことは大切ですね。

星野真里さん
「今、何を思っているか、そして相手が何を感じているかをお互いに話すことは大切ですね」(撮影:本社・武田裕介)