「新しいテクノロジーの実験場」としての役割も
3つめは音楽フェスが、世界中で「新しいテクノロジーの実験場」になっていることです。
たとえば2000年代後半から欧米のフェスでは、ICタグが入ったリストバンドが導入されるようになっています。そこにクレジットカードからお金をチャージしてフェスでの飲食などの支払に使うわけです。日本ではスマホ決済(QRコードやID決済など)がフェス会場でも用いられるようになりました。海外で先行したリストバンド決済も、スマホによるクレジットカードのタッチ決済に置き換わりつつあります。
チケットのオンライン販売と決済が普及したことが、フェス・ライブ音楽市場がこの20年で大きくなっている要因のひとつです。
かつてのアナログ時代では、チケットの購入はチケットぴあなどの窓口に行ったり、電話をかけて申し込んだり、ということが必要でした。現在のオンライン決済→コンビニ発券、もしくはデジタルチケットのダウンロードの手軽さには驚かされます。
欧米では、コロナ禍前からオンライン決済→スマホアプリにチケットが発券される仕組みや、QRコードをスマホで見せて会場でスキャンして入場できる仕組みが整っています。やはり、大勢の人が集まるということは経済が動くということでもありますので、そこに新しいテクノロジーを積極的に導入しようという「実験場」としての役割も果たしてきたと考えています。
※本稿は、『音楽ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『音楽ビジネス』(著:鈴木貴歩/クロスメディア・パブリッシング)
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ユニバーサルミュージックのデジタル本部長として音楽配信の拡大を推進し、現在は音楽テック・コンサルタントとして活躍する著者が、音楽ビジネスの「今」と「これから」を徹底解説します。




