来年に向けて磨きたい「伝える力」

特に多くの方にとって課題となるのが、「人に気持ちを伝える」というコミュニケーションスキルです。日本では「察しなさい」という文化が根強く、自分の感情を正直に伝えるのが苦手な方が多いようです。私たちは、気持ちに蓋をしたり、お飾りをつけたりするからこそ、対人関係が苦手になってしまうのではないでしょうか。

特に、「私はこう思っているよ」「私はいま寂しいと感じているよ」という「I(アイ)メッセージ」で伝えることが非常に大切です。大事なのは「自分がどう思っているか」です。誰かがではないのです。気持ちを伝える時に、無理やり理由をつけたり客観的になろうとしたりする必要はありません。

まず自分の感情に気づくところから始めましょう。相手を察する前に、まず自分の感情に敏感になること。「なんでこう考えるのだろう?」「なんでこういう感情がわくのかな?」と自分に問いかけてみましょう。例えばですが、「寂しいからだ!」という答えを見つけたとしたら、「私は寂しいって考えてるよ」と自覚すればいいのです。

そんなふうに自分の感情に気づき、言葉にする・文字にする。最初は書いてみることから始めましょう。何を伝えたら自分の気持ちが楽になるか、相手に負担なく伝わるか、と考えながら練習すれば、必ず伝わるようになります。これはとても重要なコミュニケーションスキルなので、磨いていきましょう。

助けを求める行動について、「同じ人ばかりに相談して、相手に負担をかけていないか心配」と感じることもあるでしょう。そんな時は、思い切って「この話、ラーメン1杯分おごる程度ですむ話かな?それとも、あなたに負担をかけていないか心配なんだけど、どう思う?」と、正直に相手に聞いてみることも、立派なコミュニケーションスキルです。

この1年で見つけた「自分に優しくできなかった点」は、来年をより良い年にするための希望です。この年末に「自分に優しくできたか」を確認し、来年こそは「自分に優しくできる自分」を目指して、心穏やかに新しい年を迎えましょう。

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