聴き方ひとつで相手が変わる

今でこそ人の相談に耳を傾ける仕事をしている私ですが、もともとは人の相談に乗るのが嫌いでした。というのは、人の話をじっくり聴くのが苦手だったからです。

若い頃の私は、相手の話を聴いていても、「こうしたほうがいいんじゃないのかな」と思うと、話をさえぎってアドバイスを始める、まさに先生タイプ。

それでも、相手が自分のアドバイス通りに実行してくれるといいのですが、いつもそうするとは限りません。

相手も自分なりに考えているので、私のアドバイスが意に添わなければ実行しません。

「だったら相談するなよ。時間の無駄じゃないか……」

自分がアドバイスしたところで、やるかやらないかは相手次第。相談なんかに乗っても、相手が変わることなどないと思っていた時期がありました。

ところが、カウンセリングのスキルを身につけてコミュニケーションのスタンスが変わると、相手が変わることがわかってきました。もちろん、私が相手を変えるわけではなく、相手が自分から変わっていくのです。

人は変わるものだったのです。