それに私が倒れてしまったら誰が家族の面倒を見るのか。そんな気持ちを抱えたまま時は過ぎ、体調は悪化の一途をたどっていきました。
特にひどかったのが、むくみです。最初は指輪が入らなくなり、次は飲食店でブーツを脱いだら帰る時には履けなくなってしまって。
とうとう倒れたのが47歳の時です。当日は朝からお腹が張って仕方がなく、呼吸も浅く、犬の散歩の途中で足が止まってしまいました。
うずくまった私の顔を心配そうに見る愛犬の顔は、今も忘れることができません。何とか家まで帰ったものの、夜には体中がむくんできました。
これは非常事態と判断して近くの救急外来に駆け込むと、「心不全だから、大きめの病院へ行くように」と。翌朝受診した循環器科で「心臓弁膜症の疑いがあります」と診断された私は、その日の夜に救急病棟へ入院。
その時点でも「まあ3日くらいかな」と甘く考えていた入院生活は、転院と手術を経て3ヵ月という長さになりました。