2026 年放送予定のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、豊臣秀吉の弟・秀長が主人公のサクセスストーリーです。この秀長について、歴史系YouTuberのミスター武士道さんは、「兄をよく補佐し、その覇業を支えた人物」と語ります。そこで今回は、ミスター武士道さんの著書『マンガと図解と地図でわかる!豊臣秀長 徹底解説』から一部を抜粋し、ご紹介します。
二人の父親は?
秀吉と秀長、この二人の兄弟が貧しい身分から身を立て、戦国の世に名を知らしめていったことは、みなさんご存じのことかと思いますが、その父親については実はわからないことだらけです。
秀吉と秀長は父親が違う、すなわち母(のちの大政所、通称・なか)の最初の夫との子供が秀吉で、再婚相手の子が秀長という説が昔からありますが、これに関しても確かな史料がないため、本当かどうかわかりません。
とはいえ、わからないばかりでは面白くないと思うので、わかる範囲でこの兄弟の出自を考察していきましょうか。
秀吉や秀長が生きていた時代に書かれた記録(一次史料と言ったりします)に、二人の父親に関するものはないのですが、江戸時代の寛永2年(1625)に書かれた『太閤記』(著・小瀬甫庵)に言及があります。この『太閤記』によると、秀吉の父の名前は「筑阿弥(または竹阿弥)」で、清須の織田大和守家(信長の織田家とは別)に仕えていたそうです。