宿命の相手トウ役、浦井健治さん

――今回の舞台では、宿命の相手トウ役が浦井健治さん。浦井さんは『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でも知られており、息の合った舞台になるのではないでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、実は浦井さんとは初共演なんです。浦井さんは王子役がぴったりの、やさしい雰囲気の役者さんですが、今回は運命がからまりあった2人になって、愛憎とともに対峙することになります。

ポスターのキービジュアルは、若かりし頃のチョガクのイメージで撮影したのですが、それこそがチョガクとトウとの宿命を表わしています。なぜかというと、トウは子どもの時に、自分の両親を殺めたチョガクを目撃していて、仇のはずなのに、その堕天使のような美しさに魅了されていたから。そこから互いの人生がからまりあって、ハードな展開になっていきます。

『ミュージカル パグァ』キャスト
『ミュージカル パグァ』キャスト

――演出の一色隆司さんとは、映像では「精霊の守り人 最終章」(NHK)、舞台では「バイオーム」に続く2作目のお仕事です。一色さんの世界観と、花總さんはイメージに親和性がありますが、そこはいかがでしょうか。

親和性なんておそれ多いです。「精霊の守り人」では、主人公バルサの叔母にあたる医術師のユーカを演じましたが、テレビ視聴者の方に役を届ける難しさを感じました。「バイオーム」は、宝塚歌劇団にいらした上田久美子先生が、退団後に創作された朗読劇で、通常のミュージカルとは変わった手法の舞台でした。一色先生とは今回、『破果』という重量のある作品で、がっぷりご一緒できる機会ができて、うれしいです。

花總まり
「浦井健治さん演じるトウとは互いの人生がからまりあって、ハードな展開になっていきます」