ありのままの自分を受け入れられない人
・言いたいことが言えない人
いつも他人のことを優先してしまって、自分の意見が言えない人がいます。こういう人は「自分の意見がわからない」ことがしばしばあります。
人は、他人のことばかり優先していると、自分の意見がわからなくなります。意見がなくなるわけではありません。ただ、結局他人を優先してしまうので、自分の意見を意識する必要がなくなってきます。すると、自分の気持ちが、良くわからなくなっていくのです。
自分の気持ちがわからないわけですから、自分をありのままに受け止められているはずがありません。ですから、これは「自己愛不全」の一つでもあるのです。
・何かに依存してしまう人
「依存」のメカニズムは、複雑で難しい点もあるのですが、「自己愛不全」が根底にあるケースもあります。人が依存するとき、何らかの「空虚感」を抱えていることがあります。その「空虚感」を穴埋めするために、つまり自分の中の空虚感を意識せずに済むために、何かに依存するのです。
この「空虚感」の正体は、自分をありのままに受け止められず、不安になるところから来ています。つまり、これも「自己愛不全」が大きく関わっているのです。
・自分の見た目に自信がない人
自分の見た目に自信がない。こんな人、案外多いのではないでしょうか。
場合によっては、「自分が醜い」と思いこんでしまう「醜形恐怖症」などに発展するケースもあります。また、興味深いことに「自分の見た目に自信がない」と言う人の見た目は、全く本人が思っているほどネガティブではないケースも多々あります。場合によっては、むしろ優れていることもあります。
なのに、本人は自分の見た目に自信がありません。これも「自己愛不全」から来ています。自分をありのままに受け止められていれば、自分の見た目についてあまり気になることはありません。それが自分だからです。
この意味で、「自分の見た目に自信がない」と言う人は、自己愛性パーソナリティに似ているとも言えます。
ただ、自己愛性パーソナリティの場合は、「自分の見た目が優れている」と過度に思うことで、「自己愛不全」を取り繕おうとしています。この意味で、表現型は違うだけで、両者はよく似ていると言えます。
