数千万円もの現金の行方

気になったのは数千万円もの現金の行方です。

死者は、生前に一生懸命貯めた大金を本当はどのように使い、どのように残したかったのでしょうか。

『検視官の現場-遺体が語る多死社会・日本のリアル』(著:山形真紀/中央公論新社)

部屋をいくら見回しても環境捜査を尽くしてもわからないままでした。法定相続人がいない場合、特別縁故者に該当する者がいなければ、財産は国庫に帰属することになります。

警察の検視は結局のところ事件性の有無を明らかにすることが一番の目的なので、事件性がなく死因も推定され身元が特定されたなら、遺体は家族などに引き渡されます。この後、死者の思いを明らかにするのは彼らの意思や労力に任せざるを得ません。