今年も流行中のインフルエンザ。感染対策としては「マスク」「手洗い」「うがい」が思い浮かぶのではないでしょうか? いずれももちろん大切ですが、インフルエンザの対策として”意外な弱点”があると話すのが、幸町歯科口腔外科医院の宮本日出院長です。対策を含めて、分かりやすく解説いただきました。
感染を拡大させる「歯周病菌」
先日、長年通ってくださる患者さん(50代後半・女性)が、少し疲れた表情で来院されてこう話していました。
「先生、うちの夫、また今年もインフルエンザにかかったんです。マスクも手洗いもしているのに、なぜか毎年なんですよ…」
中高年の女性はご自身だけでなく、家族の健康にも人一倍気を遣われているかと思います。インフルエンザの感染対策として「マスク」「手洗い」「うがい」の三種の神器が思い浮かぶでしょう。
もちろん、これらも大切ですが、歯科医師として、また感染症対策の書籍を執筆した専門家として警鐘を鳴らしたいのです。それは、三種の神器を遂行している人でも「インフルエンザにかかりやすい意外な弱点」があるということです。
私たちは感染を招く原因を、つかみどころのない「免疫力の低下」や「多忙によるストレス」といったものに求めがちです。確かにこれらが原因の1つであることは間違いありません。
しかし、最近の研究は、その感染を招いている「影の刺客」が、あなたの「口の中」に潜んでいることを突き止めました。それは私たち歯科医師が長年その恐ろしさについて警鐘を鳴らしてきた「歯周病」です。